地方独立行政法人りんくう総合医療センター

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3.インシデント・アクシデント報告件数の推移と内訳

3.インシデント・アクシデント報告件数の推移と内訳

マスコミなどで医療事故といえば医療者に重大ミスがあった事象と捉えられがちです。 しかし病院内では医療ミスの有無に関わらず、また患者様に実施に至らなかった事象についても「医療事故」(ヒヤリハットを含むインシデント)として積極的に報告するように取り組んでいます。

レベル0・1・2は安全確認作業で、間違いを回避できた、あるいは早期発見により健康被害がなかった報告です。 例えば、入院生活中に病室や通路などで転倒、あるいは患者様が薬剤を飲み忘れた場合などもこれに含まれます。

平成30年度のインシデント・アクシデントの総件数は3620件で29年度の3493件に比べ127件(3.6%)の増加となりました。 その内容を身体影響レベル別で整理すると、0レベルでは33件減少し、1レベルは152件の増加、2レベルは32件の増加、3aレベルでは12件減少しています。

健康への影響度の大きいとされる3bレベルでは3件減少し、4レベルでの報告件数は0件となっています。

3bレベル以上の個別内容では、転倒による裂傷や大腿骨骨折、動脈カテーテルの血管外への迷入、人工呼吸器の誤作動といった内容での事象が発生しています。転倒転落の事象では、終日医療スタッフが患者の傍にいることは不可能であり、システム的な防止対策が非常に困難な領域であると考えられます。しかし、それ以外の事象では、防止対策の十分な検討を行い、改善しました。

安全対策として「人はエラーを起こす動物」を前提に医療者のエラーの低減のための取り組みがされてきました。 これにより、医療の安全性は向上したと考えます。更に医療の安全性を高めるためには、事象と患者の特性を考慮した対策について展開される必要があると考えます。

一般的に人口統計では高齢者の占める割合が増えており、患者層の高齢化が更に進むとされています。 当院の入院患者における高齢者の割合を2014年と2018年の5年間で比較すると60歳以上は57.6%から56.8%に0.8%現象、70歳以上では40%から41.5%へと1.5%増加しており、着実に入院患者の高齢化は進んでいます。

よって高齢者の思考や行動特性を考慮して観察や対応を行い事故防止に努める必要があります。 高齢患者は入院直後や術後にせん妄になりやすいことや、安静により筋力や体力が低下しやすいなどの特性があり、転倒やチューブ抜去に至りやすくなるため、これらへの対応を強化する必要があると考えます。 また高齢者は複数の疾患を患っていることがあり、体力などの予備力の低下から重症化しやすいといえます。 患者および家族が、高齢患者の入院生活で発生しやすいリスクについて理解し、治療への納得と参画が得られるようにインフォームドコンセントを強化し、パートナーシップを推進することが重要と考えています。

(表1)りんくう総合医療センター医療事故統計 年次推移
  26年度  27年度 28年度 29年度 30年度
レベル0 740  730 565 473 440
レベル1 2666 2754

2649

2360 2512
レベル2 317 463 444 555 587
レベル3a 16 25 22 31 19
レベル3b 7 3 5 8 5
レベル4

0

0 1 1 0
レベル5 0 0 0 0 0
合併症 2 13 10 14 9
不明・その他 41 92 104 51 48
合計 3789 4080 3800 3493 3620
 
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