りんくう総合医療センターホームページ

りんくう総合医療センター看護局

リソースナース

院内認定エキスパートナース

看護師の実践力向上のための支援として、各専門領域が年間数回~十数回の系統的講座を開催する「院内認定エキスパートコース」を展開しています。
コース修了生は院内エキスパートナースとして認定され、リソースナースとして所属部署の看護の質向上のためのリーダーシップを図ってもらっています。

修了生のことば

感染コース 山田江里奈

感染リンクナースになった事がきっかけで、高い知識と技術を持って自部署の課題解決に取り組みたいと思い、感染エキスパートコースを受講しました。講義ではエビデンスに基づいた感染対策を学びました。また、他部署のスタッフと院内ラウンドを行う事で様々な感染対策の考え方を知り、視野を広げることができました。
現在は自部署でスタッフへの指導を中心に活動を行っています。特に手指衛生に関しては、スタッフを巻き込んだ関わりをした結果、部署の目標を達成することができました。エキスパートコースを受講したことで、自信を持って指導ができるようになったと感じています。今後も感染対策実践・推進の役割モデルとなれるよう、活動を継続していきたいと思います。

感染エキスパートナース 7階山側病棟 山田江里奈

救急重症ケアエキスパート 小川健太

私は、日々看護を行う中で後輩からの質問にすぐに答えられず、エビデンスがわかっていないまま看護実践をしていると気付き、救急・重症患者エキスパートコースを受講しました。コースではバイタルサインの数値が何を意味するかという基礎から、急変時に対応できる初期評価や一次評価の方法など学ぶことができました。専門的知識を学ぶことで、根拠を持って患者さまのことを考えることができ、自信を持って後輩を指導でき、リーダーシップを発揮できるようになりました。エキスパート認定後は、ラダー研修やエキスパートコースのファシリテーターとして後輩育成に関わることで、自分1人ではなく、チームとして看護実践できるようにレベルアップできていると思います。今後もエキスパート看護師として、さらなる良質な看護の提供ができるように取り組んでいきたいと考えています。エキスパートコースを受講し、後輩育成などの自分の可能性を見いだし、より良い看護の提供のために一緒に活動していきましょう。

救急重症ケアエキスパートナース 外来 小川健太

循環器ケアエキスパートコース 北村彩希子

7階山側病棟では、現在6名の循環器ケアエキスパートコースを修了したスタッフが所属しており、主に心不全や心筋梗塞、心臓血管外科術後の患者さまを対象に活動しています。私は看護師1年目の時から、循環器ケアエキスパートを修了された先輩がいる環境で勤務してきました。経験年数を重ねるにつれ、入退院を繰り返される患者さまへの退院支援、患者さまへの個別性のある退院指導に悩むことが増えました。そんな時に、患者さまへの関わり方について助言を下さったのが、エキスパートコースを修了された先輩方でした。そして、私も専門的知識を持って患者さまと関わりたいと思いエキスパートコースを受講しました。
エキスパート認定後は学んだ知識を活かし、患者さまの病態や生活背景から個別性を考えた退院支援・指導、退院後の外来での継続支援、後輩指導を行っています。エキスパート修了生としてはまだまだ成長途中ですが、日々学びながら患者さまと関わり、病棟で役割を発揮できるように今後も活動していきたいと思います。

循環器ケアエキスパートナース 7階山側病棟 北村彩希子

急性期ケア推進室



「良い看護実践からよりよいケア、より良い結果を Good practice~better care,better outcome~」をスローガンに、看護の質向上に向けて、認定・専門看護師がそれぞれの専門領域の看護実践力向上と、チーム医療を推進するために活動しています。主な取り組みとしては、

①人材育成支援活動
②チーム医療促進
③看護実践の向上を目指した相談と指導・調整活動

を行っています。
在籍の認定看護師は感染管理、皮膚排泄ケア、がん性疼痛看護、緩和ケア、糖尿病看護、脳卒中リハビリテーション看護、集中ケア、救急看護、慢性心不全看護、認知症看護、摂食・嚥下障害看護の11領域、専門看護師は急性重症患者看護、感染症看護、老人看護の3領域です。

当センター専門・認定看護師数

専門看護師
  • ●急性・重症患者看護/3名
  • ●感染症看護/1名
  • ●老人看護/1名

認定看護師
  • ●集中ケア /3名
  • ●救急看護 /4名
  • ●皮膚・排泄ケア /2名
  • ●感染管理 /2名
  • ●糖尿病看護 /1名
  • ●脳卒中リハビリテーション看護 /2名
  • ●がん性疼痛看護 /1名
  • ●緩和ケア /1名
  • ●慢性心不全看護 /1名
  • ●認知症看護 /1名
  • ●摂食・嚥下障害看護 /1名

看護管理者認定
  • ●看護管理/3名

(2023年9月1日現在)

①人材育成支援活動

看護師の実践力向上のための支援として、各専門領域が年間数回~十数回の系統的講座を開催する「院内エキスパートコース」を展開しています。コース修了生は院内エキスパートナースとして認定され、所属部署の看護の質向上のためのリーダーシップを図ってもらっています。呼吸ケア・循環器ケア・糖尿病ケア・脳神経ケア・救急看護・褥瘡ストーマケア・がん性疼痛緩和ケア・感染の8コースの他、精神援助・家族援助・認知症看護の学習会も開催しており、公開講座として院内だけでなく院外からの参加も受け付けています。

がん看護エキスパートコース担当:樋口紀美子(緩和ケア認定看護師)

急性期病院では、がんと診断された患者さまに対し、積極的に手術、薬物・放射線治療、緩和ケアを組み合わせながら治療を行っていきます。そのため、患者さまは治療に対する不安、治療を継続することでの身体的負担、がんを抱えながらの生活への不安など、様々な問題を抱えながら治療に臨んでいます。 よって、がん看護において最も重要なことは、患者さんとご家族のQOL(クオリティオブライフ)の維持と向上のために、早期に介入・サポートしていくことと考えています。 本コースでは、がん告知から終末期まで各治療の特徴および看護ケアの実際を学びます。また、がんと共存しながら地域での生活を支援するための地域連携や、その基盤となる多職種チームアプローチについて共に考えることが出来るがん看護エキスパート生の育成を行っています。エキスパートコース修了後は、患者さまや家族と積極的に関わりながら、がん看護の役割モデルとなってチームアプローチを実践してもらっています。

救急・重症患者ケアエキスパートコース担当:山田友子(救急看護認定看護師)

りんくう総合医療センターは、高度専門医療の実践とともに、災害拠点病院として救急現場の最前線での看護実践が求められています。入院中や外来通院中の患者さまの多くは基礎疾患を抱えた背景があり、状態の悪化が生命の危機に陥る可能性があります。病床稼働率約90%・救急応需率約90%を維持している中、重症患者管理部門のみならず、部署を問わず一定の救急看護実践能力を維持することが望ましいと考えています。また、現場の看護師が心肺停止に至る前の急性病態に気づき、予防ケアや初期対応できる能力も必要です。そこで、本コースでは急性病態の理解とアセスメント、初期対応や重症化予防・回復ケアの技術等、急性期において全人的ケアができる人材の育成を目標としています。さらに組織の看護実践力の水準向上のためには、倫理的判断や部署でリーダーシップを発揮するにあたり、対人能力やプロとして模範的な接遇姿勢などが重要と考えています。卒業生には、自部署のみならず院内の急変予防や急変対応、その他院内研修や各種教育コースのファシリテーターやインストラクターとして他職種と関係を構築し、多くの場面で活躍してもらっています。

摂食嚥下ケアエキスパートコース担当:石井陽祐(摂食・嚥下障害看護認定看護師)

超高齢社会の中で、「口から食べたい」気持ちがあっても、疾患に伴う症状や加齢の影響によって安全に食べることが困難な症例が増加しています。当院では安全に口から食べるために、入院時の嚥下スクリーニングやフィジカルアセスメント、客観的な評価(嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査)を行い、多職種で連携を取りながら安全に食べる方法を考えチーム医療を提供しています。 エキスパートコースでは、摂食嚥下に関する訓練や誤嚥しにくいポジショニング、栄養管理などを、座学だけでなく演習を取り入れながら、根拠に沿って臨床に活用できる知識・技術を提供しています。修了後は院内勉強会の講師・ファシリテーターなど、共に摂食嚥下領域のケア推進と普及活動に携わってもらっています。摂食嚥下に関する正しい知識を持ち、患者さまの食べたい思いに寄り添い、よりよい看護援助を提供することができる人材を育成しています。

②チーム医療促進

呼吸ケアサポートチーム(RST)・緩和ケアサポートチーム(PST)・褥瘡チーム・感染制御チーム(ICT)・認知症ケアサポートチーム・EOLチームなど、院内全体を対象に組織横断的に活動する、専門知識をもった多職種で構成される医療チームの一員として、そのチームが最大限の成果を生み出せるようリーダーシップを図っています。

呼吸ケアサポートチーム:西山陽子(集中ケア認定看護師)

私たち呼吸ケアサポートチーム(RST)は医師、集中ケア認定看護師、急性・重症患者看護専門看護師、理学療法士、臨床工学技士で構成されており、急性期から慢性期まで連続的な呼吸ケアの質の向上と標準化を図ることを目指し、主治医や現場の看護師と一緒に患者ケアをする活動を行っています。 具体的には、週1回の回診を行い、患者の呼吸に関する問題に対して様々な解決策を提供しています。その内容は、適正な環境や患者に合った人工呼吸器設定や人工呼吸器使用終了までのプログラム、呼吸ケアに関わる物品、人工呼吸器管理に関わる適正な薬剤の管理、体位調整や痰を有効に出すために必要な呼吸ケア、人工呼吸器再装着予防など多岐にわたります。また、病棟看護師に向けた人工呼吸器勉強会の開催や、チーム医療推進の一環としてリハビリスタッフに向けた吸引手技の指導など、教育的な活動も行っています。

③看護実践相談

ケア困難な事象について、看護師からの依頼で各認定・専門看護師は相談を受けています。倫理的問題を有する事例や感染相談活動、救急看護相談、急性病態患者の療養支援相談、重症患者の精神的支援相談、がん看護外来、ストーマ外来、フットケア外来、心不全外来、肺合併症管理相談(嚥下訓練・呼吸訓練)、創傷ケア相談、糖尿病患者ケア相談(患者教育含む)、緩和ケア、人工呼吸器管理相談、認知症ケア相談など、各々の専門性を活かして相談に応じています。

ストーマ外来:古賀亜由美(皮膚・排泄ケア認定看護師)

ストーマ外来では、人工肛門・人工膀胱を造設された患者さまや当院で手術予定の患者さまに対して、手術前から退院後も安心して日常生活が行えるように患者さま・ご家族さまを支援する外来です。ストーマを造設された患者さまへの支援内容は、日常生活における注意点やストーマ周囲の皮膚障害に対するケア、ストーマ合併症に対する予防ケア、患者さまの状態にあった装具やケア方法への変更、新しい製品の紹介など、様々な問題に対して個別性に合わせた相談や指導を行っています。手術予定の患者さまに対しては、人工肛門・人工膀胱をどのように思われているかなどを確認させていただいています。その上で、ストーマ造設に伴う日常生活での変更点や実際に使用する装具に触れてもらうことで、手術前に抱えている不安や疑問点を少しでも緩和できるように看護を行っています。ストーマ造設手術された患者さまでストーマケアで困っている場合は、かかりつけ医を通して地域医療連携室から受診予約をして頂くことができます。

その他

院内広報誌として「BCBC (Better Care, Better Cure) paper」を発行し、認定・専門看護師の活動や最新のトピックスなどを広報しています。