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りんくう総合医療センター看護局

急性期ケア推進部

急性期ケア推進室



急性期ケア推進室では、認定・専門看護師がそれぞれの専門領域の看護実践力向上と、チーム医療を推進するために活動しています。主な取り組みとしては、

①人材育成支援活動
②チーム医療促進
③看護実践の向上を目指した相談と指導・調整活動

を行っています。
在籍の認定看護師は感染管理・皮膚排泄ケア・がん化学療法看護・がん性疼痛看護・緩和ケア・糖尿病看護・脳卒中リハビリテーション看護・集中ケア・救急看護・慢性心不全看護・認知症看護・摂食嚥下障害看護の12領域、専門看護師は急性重症患者看護・感染看護・がん看護の3領域です。

①人材育成支援活動

看護師の実践力向上のための支援として、各専門領域が年間数回~十数回の系統的講座を開催する「院内エキスパートコース」を展開しています。コース修了生は院内エキスパートナースとして認定され、所属部署の看護の質向上のためのリーダーシップを図ってもらっています。呼吸ケア・循環器ケア・糖尿病ケア・脳神経ケア・救急看護・褥瘡ストーマケア・がん性疼痛緩和ケア・がん化学療法看護・感染の9コースの他、精神援助・家族援助・認知症看護の学習会も開催しており、公開講座として院内だけでなく院外からの参加も受け付けています。

救急看護エキスパートコース担当:吉田恵子(救急看護認定看護師)

超急性期にある患者様の状態変化(急変)は、時間・場所を問わず、どのような状況下でも起こり得え、誰もが経験する可能性があります。 そのため、患者の症状や訴えから急性病態への移行の早期認知・予測した症状別トリアージやフィジカルアセスメントにより緊急度・重症度を判断する知識・技術・態度が必要です。 講義内容を即時に活用し臨床での迅速な対応と的確な救急看護の実践能力の向上のため体験型学習を中心とした机上を含めたシミュレーションやスキルステーションを取り入れています。 さらに、卒業生もファシリテーターとして活躍し、よりよい看護を検討すべく実践事例を報告し合い、部署で救急看護実践能力を発揮しています。

脳神経ケアエキスパートコース担当:小城千絵(脳卒中リハビリテーション看護認定看護師)

脳卒中や頭部外傷はそれまで普通の生活をしていた人に突然発症し、意識が障害されたり運動麻痺が出現したりします。 身体機能だけでなく認知機能も障害されることが多く、患者さん本人と家族、その周囲の人たちへも影響が及びます。そのため、発症時からその特有の症状を理解し、退院後の生活を見据えて患者さんや家族と一緒に考えることの出来る人材の育成が重要であると考えます。 急性期のチーム医療の中で、患者さんを中心に他職種との連携を図ることの出来るナースの役割は大切です。各部署で入院中の脳疾患患者の看護ケアでのリーダーシップがはかれるよう、エキスパートナースの育成に尽力しております。

②チーム医療促進

呼吸ケアサポートチーム(RST)・緩和ケアサポートチーム(PST)・褥瘡チーム・感染制御チーム(ICT)・認知症ケアサポートチーム・EOLチームなど、院内全体を対象に組織横断的に活動する、専門知識をもった多職種で構成される医療チームの一員として、そのチームが最大限の成果を生み出せるようリーダーシップを図っています。

呼吸ケアサポートチーム:松嶋寿和(集中ケア認定看護師)

呼吸ケアサポートチームでは早期の人工呼吸離脱にむけたケアを始め、呼吸ケアに関する様々なケア相談についてサポート活動を行っています。人工呼吸器離脱についてはVAP予防のために鎮静コントロールやポジショニング、誤嚥予防のほか、呼吸リハビリやウイニングプラン、適切な人工呼吸器設定の提案を行っています。ケア相談では患者に適した肺理学療法として体位ドレナージやスクウィージングの指導、加湿・加温の方法などの説明を行っています。またNIPPVやNHFの勉強会を行い呼吸ケアについての医療の質向上に努めています。RSTは医師・看護師・臨床工学技士・理学療法士で構成されそれぞれの専門的視点から意見を述べ合い、安全かつ質の高い医療が提供できるように活動を行っています。

クリティカルケアサポートチーム:二藤真理子(急性・重症患者看護専門看護師)

在院日数の短縮が求められる昨今、急性期病院である当センターは、患者さまやそのご家族に安全で安楽なケアを提供し、生活の質が少しでも向上することを目指して日々奮闘しています。そのような機運の中、急性期看護に特化した専門看護師や認定看護師のリソースナース6名が「クリティカルケア・サポートチーム」に所属し、毎日交代で担当者1名が急変の予防的ケアや現場で解決困難な複雑な事象などのよろず相談に対し、組織横断的に支援活動を展開しています。
クリティカルケア・サポートチームは、①患者・家族のより良いアウトカムを目指した、合併症の予防管理と緩和ケアを基軸にした看護実践のサポート、②専門的知識・技術を駆使した、入院患者と家族への安全・安楽なケアの推進、③関与する患者・家族・医療スタッフのストレスや負担の緩和 を目的としています。

③看護実践相談

ケア困難な事象について、看護師からの依頼で各認定・専門看護師は相談を受けています。倫理的問題を有する事例や感染相談活動、救急看護相談、急性病態患者の療養支援相談、重症患者の精神的支援相談、がん化学療法相談、ストーマ外来、フットケア外来、心不全外来、肺合併症管理相談(嚥下訓練・呼吸訓練)、創傷ケア相談、糖尿病患者ケア相談(患者教育含む)、緩和ケア、人工呼吸器管理相談、認知症ケア相談など、各々の専門性を活かして相談に応じています。

がん看護外来:杉野幸恵(がん性疼痛緩和認定看護師)

日本人の2人に1人が生涯でがんになるといわれるようになり、がんという病気が身近になりましたが、がんと告知された時や治療を選択される時は色々な不安や迷いが生じると思います。 また、治療をしながら自宅での生活を開始されてからも様々な悩みや心配ごとがおこり治療の継続が難しくなる場合もあります。 悩みには痛みなどの身体的な問題や不安などの精神的な問題、ご家族の心配ごとや治療費などの問題もあります。
私たちはそんな患者さんの気がかりをお聞きし、どうしたら病気と付き合いながら、より良い生活を送れるのかを、一緒に考えていきたいと思っております。

心不全看護外来:壽慶奈津子(慢性心不全看護認定看護師)

心不全は増悪と寛解を繰り返し、徐々に悪化する疾患です。心不全は管理することで予後が改善すると報告されています。 しかし、心不全を長期的に管理することは非常に困難であり、患者様一人の力では難渋すると考えています。
そのため、心不全管理を患者様とともに考えていくために、2016年から心不全看護外来を開催しました。 100名以上の患者様・ご家族様に看護面談を行う中で、心不全管理の難しさをさらに痛感致しました。 しかし、たくさんの不安を抱えながら心不全と向き合って生活を送る患者様・ご家族様に少しでも安心で快適な生活が送れるよう、個々の患者様にあった支援方法が提示できるように今後も努力していきたいと思います。 また、外来・入院にとどまらず、地域とも連携できる窓口になっていきたいと思っています。

フットケア外来:西村直美(糖尿病看護認定看護師)

当院のフットケア外来は、2013年7月に開設し、毎週金曜日午後より予約制で対応しています。専任看護師1名で、延べ患者数は約120名/年に至ります。最も多い介入内容は、肥厚爪や巻き爪、胼胝です。循環障害を伴う所見や炎症や外傷、感染を伴う場合は、医師へ報告し検査・治療となりますが、そうでなければ看護師でケアおよびセルフケア指導、外傷、胼胝予防のため月1回専門業者も交えてフットウエアの提案まで行います。
糖尿病がある方へのフットケアは、「足から全身の看る」と言っても過言ではなく、生涯自分の足でその人らしく健やかな生活を送れるよう、一人でも多くの方の合併症予防に役立つ外来を目指しています。

ストーマ外来:高橋敏枝(皮膚・排泄ケア認定看護師)

ストーマ外来では、専門的な知識と技術をもつ看護師がストーマ(人工肛門・人工膀胱)を保有されている方やストーマ造設手術を予定している方を支援する外来です。ストーマを保有されている方にはストーマ装具の選択やストーマ周囲の皮膚障害、ストーマ合併症、日常生活の注意点など、個々に応じたアドバイスを行っています。また、ストーマ造設手術を予定されている方にはお話を伺いながら不安や疑問に思っていることが少しでも緩和できるように支援を行っています。ストーマ外来を受診される患者さんと一緒に考え、少しでも日常生活が快適に過ごせることを目指しています。当院で手術した方以外もかかりつけ医からの予約受診の受け入れもおこなっています。

その他

院内広報誌として「BCBC (Better Care, Better Cure) paper」を発行し、認定・専門看護師の活動や最新のトピックスなどを広報しています。

BCBC paper編集アドバイザー:吉田恵子(救急看護認定看護師)

急性期ケア推進室に所属する認定・専門看護師は、それぞれが専門性を発揮し、院内のあらゆる場所・場面で患者様、家族様により良いケアを提供できるよう日々努力しています。
私たちの持つ、専門性や、患者様に安心と満足を提供できるよりよい看護支援を、日常の看護実践にもっと活かして欲しいという思いから、昨年度より、毎月 認定専門看護師による広報誌を発行し、誌面にて認定専門活動紹介や、いつでも看護のニーズにお応えする準備があることをアピールしています。
臨床で働く看護師のみなさんが、新しい情報や知識を備え、いつでも専門家に相談できる環境で、BCBCの名の由来のように、Better Care Better Cureで溢れる病院を目指しています。

「良い看護実践からよりよいケア、より良い結果を
  Good practice~better care,better outcome~」
をスローガンに、看護の質向上のために尽力していきます。