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聴覚・言語支援センター
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2017年2月

イラスト 2017年が始まりました。
多くの患者さまにご指摘をいただきましたので、怠け者の管理者がブログを更新いたします。
先ず、昨年は皆様のご支援により何とか日常業務をこなし1年間、大過なく過ごすことができました。本当に感謝申し上げます。

今回は昨年、聴覚・言語支援センターが取り組んだ業務内容を報告いたします。

当センターの業務は、人工内耳ハビリテーション、補聴器フィッティング、音声・言語訓練、コミュニケーション障害に対する指導です。訓練・指導の対象となる病態は言語発達遅滞、限局性学習障害、自閉スペクトラム症(以下ASD)、構音障害、音声障害、吃音などです。また失声など機能性疾患にも対応しています。

月曜日と水曜日の午後は補聴器の調整を行っています。当センターの補聴器外来は、厚生労働省が定める補聴器適合検査を行える数少ない病院の一つです。特徴としては、医師が補聴器の適応ありと判断した方や、既に購入済の補聴器が合わない患者様の多いことです。そのため補聴器の調整は補聴器販売店の協力を得て、医師と言語聴覚士が連携を取りながら3か月ほど時間かけて調整しています。

人工内耳ハビリテーションは火曜日午前と木曜日に、訓練およびスピーチプロッセサーの点検、聴覚補償の状態を聴覚検査で調べています。当センターで訓練を行っている幼児・学童は欧米の論文にしめされているように9割以上が地域のこども園や小・中学校に通学しています。幸いなことに普通学級に通っている児童のうち、今のところ言語発達が年齢級に追いついていない子はいません(2017年度 聴覚医学会学会誌 受諾 人工内耳装用児の聴覚補償と発達検査の結果)。また補聴器装用児も同様の結果を示しています(2016年度 聴覚医学会発表)。

それ以外の時間は、言語発達遅滞、限局性学習障害、ASD、構音障害、音声障害(失声症、機能性痙攣性発声障害)吃音の言語訓練を行っています。

去年はASDの幼児と吃音の患者様が増加したことが特徴です。ASD児の訓練は子どもの能力を評価し、応用行動学に基づいたABA療法をそれぞれの子ども能力に応じて訓練計画を立て実践しています。その結果を振り返るために、去年(2016)音声言語医学会で、ASD児に対するABA療法の有効性を発表いたしました。訓練前と1年間の訓練後子どもの状態をCARSにより評価しましたところ、ASDのレベルや合併する障碍にもよりますが、症状がよくならない子供はいないという結論でした。

吃音の言語療法については、訓練の重要性を再認識いたしました。吃音の言語療法も過去数十年の間、様々な研究者により研究されていますが、未だ一様の方法は諸外国も含め確立されていないようです。そこで当センターでは、従来から整理されつつある、吃音患者様のしゃべり方に焦点をあてる直説法と、患者様が吃音を引き起こさないような環境調整を行うという間接法を実施しております。当センターでは、先ずどの方法が患者様に最適かを検討し患者様に言語療法を行います。もちろん、吃音から派生される劣等感、不安感にたいしても、ナラプティブセラピー(Narrative Based Medicine)を行い患者様の抱えてきた、あるいは抱えている問題を否定することなく聞き出し、ストレスに対する防衛機制(コーピングスキル)をつくる療法も行っています。また、当センターの強みは、音声言語障害に詳しい医師がいることです。具体的には、医師が必要と診断したら投薬治療と吃音の訓練を併用できることです。

尚 当センターの訓練の初診の予約はできないので、必ず当院の耳鼻咽喉科を先ず受診してください。

末尾になりますが、2017年も皆様に良いお年が来ますように祈念にいたします。

イラスト

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